展示概要 大妻女子大学博物館には佐賀鍋島家に伝来するドレスの復元ドレスが収蔵されています。これは本学家政学部被服学科の石井とめ子名誉教授の指導のもと第3被服意匠学研究室で昭和57年(1982)から数年間にわたって学生の卒業制作として作られたドレスです。特に注目すべきドレスは「小袖夜会服」の復元ドレスです。日本の小袖をドレスに仕立てたもので、復元には同じ模様に染めた生地に刺繍を施したものを特注して製作されました。
また明治20年(1887)4月20日に伊藤博文首相官邸で開催された「大仮装舞踏会(fancy ball)」で鍋島直大(なおひろ)・栄子(ながこ)夫妻が着用したドレスも復元しています。
明治政府は欧化政策を推し進めるために、宮中や政府関係者を中心に洋装を取り入れましたが、その政策はたやすいものではありませんでした。そのような中、栄子はイタリア公使を勤めた直大に同行した経験を活かし、帰国後は「鹿鳴館時代」のホストとしても活躍し、日本の近代化に努めました。
鍋島家のドレスは、京都の公卿のお姫様である栄子が、異国で慣れない衣裳を着こなし、生まれたばかりの日本の発展に貢献した軌跡を物語っています。
さらに、平成29年(2017)に本館に寄贈されたヨーロッパのバッグや扇(竹内コレクション)も展示しています。これらはドレスの着用者やドレスを引き立たせるためにはなくてはならないアイテムです。その繊細で高度な技もご堪能ください。
本展覧会では、美しいドレスの数々を見ていただくと共に、教員と学生がともに服飾研究の研鑽に励んだ成果もみていただきたいと願っています。
開館日 月~金曜日(土・日・祝日休館)
臨時開館日 1月10日(土)、 3月15日(日)、 3月22日(日)
開館時間 10:00~16:30
関連事業 講演会「お姫様の生活とファッション」
日時:1月10日(土)14:00~16:10
会場:大妻女子大学H棟H113教室
●榎本恵子(大妻女子大学文学部コミュニケーション文化学科准教授)
「フランスのプリンセス―お城での生活とは―」
●青木淳子(歴史文化学研究者 学際情報学博士)
「梨本宮伊都子妃のファッション―フランス人を魅了した日本のプリンセス―」
対象:どなたでも
申込:不要 ※当日直接会場にお越しください
ワークショップ「ビーズを使ったお花ワッペンを刺繍しよう」
本館が所蔵しているビーズのミニポーチのデザインを参考に、花模様のワッペンを作り、
サコッシュに仕上げます。
講師:山下ちかこ(女子美術大学非常勤講師)
日時:3月15日(日)14:00~16:00
会場:大妻女子大学博物館研究室
対象:小学生(針と糸が使える方)
※小学校低学年の方は、保護者の同伴をお願いいたします。
申込:2月中旬にGoogleフォームを公開いたします。当館HPをご確認ください。

企画展「お姫様の装い Elegance of a Princess―鍋島家の復元ドレスを中心に―」チラシ(PDF:2.5MB)